ご自宅の壁はどんな素材ですか?
投稿日:2018.11.14 更新日:2025.5.28
ご自宅の壁はどんな壁?
新築戸建住宅の外壁材
材料別構成比
出典 : 日本窯業外装材協会、
日本サッシ協会 H29
住宅の外壁材は様々な種類があります。以前まではモルタルが一般的でしたが、現在では窯業系サイディングが普及し、7〜8割のシェアを占めています。サイディングとは工場で規格製造生産されるボード型の外壁材でして、完成品が納品され、現場では簡単な加工と張るだけで済み施工が容易になっています。
湿式工法のモルタルのように材料をつくるところからはじめる必要もないため、工期短縮や品質のばらつきを防ぐことができます。ちなみにサイディングは乾式工法です。サイディングにも種類があり、窯業系、金属系、樹脂系、木質系があります。
サイディングは外壁同士の干渉を防ぐために目地を設け、その隙間埋めにコーキングを充填しています。サイディングでは外壁材のメンテナンスはもちろんのこと、コーキングも定期的に打ち直す必要があります。こちらでは住宅によく使われている外壁材をご紹介いたします。
窯業サイディング
セメントと繊維質を混ぜ合わせてつくります。豊富なデザインがラインナップされ、意匠性の高さで人気があります。デザインには石目調やレンガ調、木目柄などがあります。地震に強く、耐火性にも優れている住宅の外壁材として最も普及しています。
- 要注意症状
- コーキングのヒビ割れ、チョーキング、色あせ、藻やカビ、等
タイル・石積調
サイディング
窯業系サイディングの豊富なデザインの中の一つ。現在の印刷技術は優れており、繊細で本物のような質感を味わえます。意匠性の高いサイディングは塗り替えるときに柄が潰れてしまうため注意が必要です。質感をそのままに活かすならクリア塗装がおすすめです。
- 要注意症状
- コーキングのヒビ割れ、チョーキング、色あせ、藻やカビ、等
⾦属系サイディング
金属を素材にしたサイディング。現在ではガルバリウム鋼板が主流です。窯業系サイディングよりも軽量で耐震性の向上を図れます。また、ガルバリウム鋼板は耐食性が高いため基本的に塗装不要です(状況により塗装が必要な場合もあります)。
- 要注意症状
- チョーキング、サビ、剥がれや反り等
窯業系サイディングは上記以外にも
木質系のウッドサイディング、
樹脂系サイディングなど
様々な種類があります。
ご自宅の壁の種類がわからない時は、お気軽にご相談下さい。
ALC
(軽量気泡コンクリート)
セメントペーストに発泡剤を加えて製造します。細かい気泡が入っているのが特徴で、比重は水よりも軽くコンクリートの欠点だった重さを克服しています。また、断熱性や耐火性に優れています。旭化成のヘーベルハウスでよく使われます。
- 要注意症状
- コーキングの劣化、ひび割れ、チョーキング、塗膜の剥離、色あせ、藻やカビ、等
RC
(鉄筋コンクリート)
「セメント+細骨材+粗骨材+水」を混ぜ合わせてつくるコンクリートと内部に鉄筋を入れた構造が鉄筋コンクリート(RC造)です。圧縮や引っ張りに対する力に強く耐震性に優れ、気密性も高いです。ビルやマンションなど大型建築の他に住宅にも使用されています。
- 要注意症状
- ひび割れ、チョーキング、塗膜の剥離、色あせ、藻やカビ、中性化、爆裂、等
モルタル
1970〜1980年代まで主流だった外壁材。コンクリートに似ていますが、材料の構成が異なり、「セメント+細骨材(砂)+水」でつくります。コテ塗りや掻き落としなど意匠性の高い仕上げができます。モルタル自体は防水性がないため、定期的な塗装が必要です。
- 要注意症状
- コーキングのヒビ割れ、クラック、チョーキング、色あせ、藻やカビ、等
モルタルを採用した新築は少なくなりましたが、
外壁塗装ではまだまだご依頼が多い外壁材です。
サイディングと比較して塗料の量を多く使い、
作業自体も時間がかかるケースがあります。
レンガ
レンガは歴史が長い建築素材です。100年以上耐久するとされており、レンガ自体は半永久的と言えます。ですが、レンガを繋ぎ止めるモルタルのところで中性化が起きると白濁した跡が出てきます。中性化を防ぎ、美観を保持できるようにクリア塗料があります。
タイル
タイルは豊富なデザインやカラーがあります。耐久性が高く、耐水性も優れ、塗装は基本的に不要です。ただし、タイルが浮いてきたり、白華現象などがあったりするため、定期的なメンテナンスは必要です。美観を保つためにタイル専用のクリア塗料があります。
漆喰
漆喰は消石灰(水酸化カルシウム)を主原料とする仕上げ材です。純白で美しい質感が特徴的で、日本では古来から用いられています。通常の塗料で塗装すると1、2年で剥がれてくるため、専用の塗料(日本ペイントのケンエースや漆喰仕上げ塗材)を使って塗装します。
レンガ調やタイル調などの窯業系サイディングは
ぱっと見では判断が難しいかもしれません。
ご自宅の壁が何を使っているのか
新築の際にご案内を受けていれば
間違いありませんが、
実際は現地にてご確認させていただいたほうが確実です。
“mu”