外壁塗装の下塗りはどんな役割があるの?
投稿日:2022.1.31
目次
外壁塗装の工程には下塗りと中塗り、上塗りがあります。
なんで塗る作業に下塗りや中塗り、上塗りと段階があるのか疑問に思うのではないでしょう。
全部一緒ならわざわざ工程を分ける必要はありませんし、ややこしく感じますよね。
当然ながら下塗りは中塗りや上塗りとはまったく違う役割があり、作業も異なります。
下塗りをおろそかにしてしまうと塗装の耐久性が落ちてしまう原因となりますので、これから外壁塗装をお考えの方は下塗りの役割や必要性などを知っておきましょう。
【下塗りはどこの工程?】
外壁塗装の工程は以下の流れで進みます。
1:高圧洗浄
2:下地処理+補修
3:下塗り
4:中塗り
5:上塗り
下塗りは下地処理と補修を行なった後に行う作業です。
まず、塗装作業という括りでいくと、下塗りと中塗り、上塗りは同じ作業に見えますが、同じ塗る作業でも使用する材料や作業の意味合いは違います。
中塗りと上塗りは仕上げ剤を使用して塗装する作業ですが、下塗りはシーラーやプライマー、フィラーなどの下塗り剤を使って塗装をします。
それでは、なぜ下塗り剤を先に塗布しておくのかを下でご説明します。
塗装工程についてはこちらの「塗装工事の流れ」をご覧ください。
【下塗りの必要性と役割】
下塗りの役割をお伝えする前に、まず外壁に塗装される塗料について触れておきましょう。
外壁塗装に使う塗料は樹脂塗料が一般的です。
樹脂塗料は、顔料、樹脂、添加剤、希釈剤で構成されています。
樹脂のままでは外壁に塗れませんので、希釈剤で液体状にし、乾燥後は塗料が硬化して塗膜を形成します。
この塗膜が風雨から建物を守る役目を果たしているのですが、塗膜が外壁にくっついていなければ効果を発揮することはできません。
外壁はこれまでの年月により、汚れが付着し、塗装も古くなっているため、新しい塗料は付着しにくい状態になっています。
仕上げ剤をそのまま塗ってもうまく定着せず、短い期間で剥がれてしまいます。
しかし、塗装が劣化したままでは建物を保護することができませんので、塗装をし直すことができるように、外壁への密着性を高めるシーラーやプライマーなどの下塗り剤を塗布して、下地と仕上げ剤のくさびとなる塗膜を形成しておきます。
つまり、下塗りは塗装の土台ということです。
シーラーやプライマーで下塗りをすることで、塗料の密着性を高め、塗装を長持ちさせます。
また、下塗りは塗料の吸い込みを防ぐ役割もあり、ムラなく仕上げることができます。
鉄部の下塗りは錆を防ぐ防錆剤があります。
防錆剤も下塗り剤の一種で、錆の発生を防ぐ効果があります。
下塗り剤には他にもフィラーというものがあります。
フィラーはシーラーと比べて粘性があり、塗膜が厚くゴムのように弾性があります。
コンクリートやモルタルなどのクラックの起きやすい外壁は、塗膜に追従性がないとひび割れてしまうため、クラックの出やすい下地にフィラーを使います。
すでにクラックが起きている箇所にも補修の目的でフィラーを塗ることがあります。
塗装は美観性を高める役割もあり、違う色を選んで外観の雰囲気を変えるのも楽しみの一つです。
選ぶ色によっては下地の色が出てしまうことがありますので、下地の色が出ないようにする役割も下塗りにはあります。
【材料選定を間違えない!下塗り剤に遮熱性能を有している塗料もある】
下塗りには密着性を高めることや塗料の吸い込みを抑えるという目的がありますが、下塗り剤に機能を持たせている塗料もあります。
遮熱塗料は太陽光の近赤外線を反射し、熱の吸収を防いで表面温度上昇を抑制する効果があり、下塗り剤にも遮熱の機能を持たせていることがあります。
遮熱塗料のように機能性を有している場合、下塗り剤は専用のものを使わないと、性能を最大限発揮することができませんので、材料選定を間違えないことが大切です。
遮熱塗料についてはこちらの「遮熱塗料 サーモアイ」をご覧ください。
【下塗りなしだとどうなる?】
下塗りの役割についてお伝えしましたが、それでは下塗りをしないとどうなってしまうのかを以下にまとめましたのでご覧ください。
【下塗りなしの支障】
・塗料の吸い込みが多くなり、仕上がりにムラができる
・塗料の密着性が下がり、耐久性が落ちる
・下地から剥がれる
・均一な塗膜を形成することができないため性能が落ちる
前述したように建物の塗装は下地にくっついていなければ効果は発揮されません。
どんなにグレードの高い塗料で塗装をしても下地に定着していないと意味がなく、下塗りをしないことで塗料の性能は落ち、短い期間で剥がれてしまうため、塗り直しなどの余計な費用が発生してしまいます。
ただし、必ずしも下塗りをしなければいけないのかというとそうではなく、下塗りなしで塗装できる塗料もあります。
下塗りなしの塗料は付着力が高く、カチオン系といった陽イオン(+の電気)と陰イオン(-の電気)で引き合い、より密着性を高くしている塗料もあります。
【これから外壁塗装をする方が注意すること】
このように下塗りは外壁塗装の品質にとても関わっている工程ですが、問題は上塗りをしてしまうと下塗りをしたのかわからなくなってしまうということです。
下塗りの重要性を知っている業者なら、工程を省くことはありませんが、塗装が仕上がると下塗りをしたところが隠れてしまうため、本当に下塗りをしたのか確認することができなくなります。
下塗りの有無をちゃんと把握できるように以下のポイントを大事にしてください。
・下塗りについて見積もりにちゃんと書かれているか
・使用する下塗り剤のメーカーと名前が見積もりに書かれているか
・下塗りすることを業者から説明をもらっているか
・工程表に下塗りが記載されているか
・下塗りの施工写真を残しているか
下塗り剤は一般的に白か透明の色をしています。
選んだ色と違う色で塗装をしていれば、下塗りをしていることが判断できるでしょう。(ただし、下地の色を出さないために、仕上げ塗料でも違う色を使うことがありますので、業者への確認は必要です)
また、下塗りは1回行うのが基本ですが、下地の状態によっては2回以上行うこともあります。
下塗り剤にも規定の塗膜厚があります。
塗膜の厚みが確保されていないと性能が落ちてしまいますので、メーカーが推奨する塗膜厚になるまで塗り重ねることが大事です。
ここまで外壁塗装の下塗りについてお伝えしましたが、塗装の耐久性のすべてが下塗りにかかっているということではなく、塗装前に行う下地処理も大切です。
下地処理については下のページでお伝えしておりますので、ぜひこちらもご参考にしてください。
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無料診断についてはこちらの「屋根外壁0円見積もり」をご覧ください。
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