下地調整の重要なポイント5 縁切り作業
投稿日:2019.8.5 更新日:2024.4.29
塗装は屋根も外壁も下地処理、下塗り、中塗り、上塗りの工程で行います。
ただ塗料を塗るだけのように見えて、実は色々とやることがたくさんあるのです。
ただし、カラーベストまたはコロニアルと呼ばれているスレートを塗装するときは、一点注意する工程があります。
それが「縁切り」です。
縁切り……あまり聞かない言葉ですよね?
そこで本記事では、スレートの塗装で重要となる縁切りの工程について詳しく解説いたします!
スレート屋根の塗装で行う縁切り作業とは?
屋根は一番低いところから高いところに向かって一枚ずつ重ねながら葺いています。
屋根の固定は、屋根材両端に釘を打っているだけで、重なりのところは隙間ができます。
「縁切り」は、この屋根の重なりにできる隙間を確保するために行います。
そもそもなぜ隙間を開けなければいけないのか疑問に感じるかもしれません。
隙間がある理由は、屋根内に入った雨を外に流すためと湿気がこもるのを防ぐためです。
塗装すると塗膜で隙間を塞いでしまうため、縁切りを行なって塗装後でも隙間がある状態にします。
縁切りは「塗装後、塗膜を切り込む方法」と「タスペーサーを使用する方法」の2つ
縁切り方法1:塗装後、塗膜を切り込む方法
縁切り方法は「塗装後、塗膜を切り込む方法」と「タスペーサーを使用する方法」の2つです。
従来のやり方は前者の「塗装後、塗膜を切り込む方法」です。
この方法は、塗装した後にカッターや皮すきで塗膜に切り込みを入れて隙間を確保します。
タスペーサーが一般的になるまでは、この方法で縁切りをしていましたが、いくつか問題がありました。
まず一つ目が、塗装が仕上がった後に縁切りをするため、塗装後の屋根に傷をつけたり、汚してしまったりするリスクがあることです。
せっかく塗装した屋根の上を移動しながら縁切り作業をしますので、もし傷つけてしまったら手直しする手間が増えてしまいます。
次に二つ目が、時間がかかり、縁切りの精度にもばらつきがあるということです。
一枚ずつ塗膜に切り込みを入れていきますので手間と時間がかかります。
また、縁切りした時点では隙間を確保できていても太陽光の熱で塗膜が膨張し、隙間を塞ぐ可能性があります。
完全に密閉される可能性は低いですが、わずかに残った隙間が、かえって毛細管現象を起こして内側に水がまわってしまうかもしれません。
毛細管現象とは水を吸い寄せる現象のことでして、傾斜の高低に反した動きをします。
縁切り方法2:タスペーサーを使用する方法
現在ではタスペーサーを使用するのが一般的です。
タスペーサーは従来の縁切り方法で問題だったことをすべて解決してくれます。
まず、タスペーサーは上の写真のようにスレートの重なりのところに差し込んで使用します。
タスペーサーは厚さ約2mm、大きさ約4cmの部材で、これをスレートの両端に一枚ずつ差し込んで使います。
タスペーサーを差し込むことで、スレートがその厚さ分浮き上がり隙間を確保します。
カッターで塗膜を切り込むよりも施工が容易で、精度も安定しています。
タスペーサーのいいところは、塗装が仕上がった後もこのように美観性を損なわず目立ちにくいということです。
タスペーサーで施工できないケースもありますが、ほとんどの塗装工事でタスペーサーが用いられています。
タスペーサーについては「雨漏りから屋根を守る、タスペーサーとは」で解説しておりますので、良ければこちらもご覧ください。
そもそもどうしてスレート塗装では縁切りが重要なのか?
そもそもどうしてスレートの塗装では縁切りが重要なのでしょうか?
縁切りを行うのはスレートの塗装だけで、金属屋根や瓦では縁切りを行いません。
その理由は縁切りをしなくても通気や排水に問題がないからです。
スレートの塗装のみ、塗装した後に隙間が塞がれてしまうため、縁切りが必要ということです。
スレートの塗装で縁切りが重要と言われるのは、雨漏りのリスクを高めるからです。
屋根材の下に水が溜まってしまうと水を堰き止めているルーフィングの劣化が早まり、いずれ水が浸透して屋内に流れてきてしまいます。
雨漏りは建物への被害が甚大です。
ちょっとでも放っておいてしまえば建物の寿命をグッと縮めてしまうかもしれません。
「大切な建物を守るために雨漏りさせないこと」これが鉄則です。
縁切りは一般的に聞くことのない言葉ですが、スレートの塗装を行う上では、必ず目を通しておかなければなりません。
杜撰な工事をする業者だと縁切りを省くかもしれません。
雨漏りしてからでは遅いですから、スレートの塗装を行う際は、縁切りの工程がちゃんとあり、適切な施工で行ってくれるか細かくご確認ください。
ホーム・ビューティーはお客様が安心して工事を任せていただけるように、工事内容や使用する材料を事前にきちんとご説明し、工事も写真や作業報告を徹底しております。
アフターサポートも手厚く行っておりますので、工事後のこともご安心ください!
これからスレートの塗装を行われる方は、縁切りという工程を見逃さないように注意してくださいね!
屋根塗装の流れはこちらの「屋根塗装の流れは?工程と知っておきたいポイント」をご覧ください。
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