塗装後のシーリングのベタつきや変色。ブリード現象とは?原因や対策方法を解説
投稿日:2025.5.31
コーキングを打ち替えたけど、後から表面がベタついてきた……
そんなに月日が経っていないのにコーキングのところだけ黒くシミのように汚れてきた……
このような症状が見られる場合は、もしかするとブリード現象が起きているかもしれません。
ブリード現象はコーキングに含まれる可塑剤が滲み出てくることで発生します。
現在ではノンブリードタイプが主流なため、そう頻繁に見られる症状ではありませんが、冒頭でも申し上げたコーキング表面のベタつき、ミミズ跡のような黒い汚れが出ていましたらブリード現象を疑いましょう。
本記事ではコーキングに発生するブリード現象について解説いたします。
工事後に発生する症状ですので、もし該当される方は、こちらでご紹介することをぜひご参考にしてください。
ブリード現象とは?発生する原因
ブリード現象は工事を終えた後に発生するため、こちらから連絡する必要があり、すぐに業者にコンタクトが取れない問題があります。
ブリード現象があることを知らないと劣化と判断してしまう可能性もありますので、このような現象があるということを知っておくことも大切です。
シーリングはコーキングとも呼びます。
※ここではシーリングで統一いたします。
シーリングの役割は建物に生じる隙間を塞ぎ水の侵入を防ぐことです。
施工箇所は外壁目地や窓などの開口部、部材の取り合いなどに打設されています。
コーキング工事についてはこちらの「定期的にコーキングのメンテナンスが必要な理由と劣化する過程について」をご覧ください。
こちらで取り上げるブリード現象は、コーキング施工後に発生する施工不良です。
ブリード現象が発生するとコーキング表面がベタついてきたり、黒いシミのような汚れが浮き出てきます。
ブリード現象が発生する原因は可塑剤の流出によるものです。
年数の経過で可塑剤が次第に表面に滲み塗膜表面に移行することで先ほど挙げた症状として現れます。
可塑剤とはシーリングに柔軟性を与える添加剤のことです。
シーリングの他にもプラスチック、ゴムなどの身近な樹脂製品にも可塑剤が添加されています。
古いプラスチック製品やゴムがベタつく加水分解も可塑剤が原因して起こります。
ブリード現象は塗料との相性問題でも発生します。
シーリング工事は塗装とセットで行うのが一般的なため、適切な材料が選定されているかというのも大事なポイントになります。
ブリード現象が見られやすい場所と発生までの期間
ブリード現象が見られるのはこのような場所です。
・外壁目地(ALCやサイディングなどの外壁材)
・窓などの開口部
・部材の継ぎ目や取り合い部(幕板天端や笠木と外壁が接しているところなど)
・クラックを補修した箇所
ブリード現象が発生する条件が揃ってしまっている場合は、コーキングを充填した箇所すべてに発生する可能性があります。
とくにホワイトやクリームなどの淡色系で塗装されている外壁は、ブリード現象による変色が目立ちやすいです。
ブリード現象の厄介なところは、工事してからある程度年数が経ってから発生することです。
建物がある環境や施工状況にもよりますが、1〜2年後に症状が現れる特徴があります。
これくらいならまだまだ耐久できる年数です。
現在普及する一般的な塗料やコーキングは短くても10年前後は保つため、想定される年数よりもブリード現象に該当する症状が見られる場合は、業者に連絡して早めに対応してもらいましょう。
ブリード現象が発生するとどうなる?
ブリード現象は建物にいい影響を与えないため、症状が出ていたら早めに対処することをおすすめします。
・コーキングそのものの劣化
・塗装の劣化が早まる
・変色や汚れによる建物の美観低下
ブリード現象は可塑剤が流出して発生するため、コーキングそのものの劣化が出ている状態です。
可塑剤はコーキングに柔軟性を与えるために添加されているもので、それが流出すれば硬質化が早まりひび割れや破断、痩せなどが起こりやすくなります。
また、流出した可塑剤が塗料に反応して劣化が早まる可能性もあります。
ブリード現象が発生すると表面がベタつき汚れが残りやすくなり、変色することで建物の美観を著しく低下させます。
ブリード現象が発生するまで1〜2年程度なら塗装本来の耐久性ならまだまだ塗り替えを考えなくてもいい時期ですが、ブリード現象が出てしまうと外壁が汚れたり、塗料の機能が十分に発揮できなかったりと塗り直しを考えなければならず、余計な出費と時間を奪われるかもしれません。
ブリード現象を防ぐ対策
ブリード現象を防ぐ対策はこちらの2つがあります。
・ノンブリードタイプのシーリングを使用する
・専用のプライマーを使用する
現在ではノンブリードタイプのシーリングを使用するのが一般的で、ブリード現象に対応していないシーリングをあえて使うのは稀です。
ノンブリードタイプでも可塑剤は微量に含まれているため、完全に影響をなくすことはできませんが、可塑剤の移行が起こりにくくなり、ブリード現象を防ぐことができます。
いまでは可塑剤を含まないシーリングも販売されておりますので、こちらをご検討していただくのもおすすめです。
可塑剤を含まないシーリングについてはこちらから
もう一つは「逆プライマー」や「ブリードオフプライマー」を使用することです。
これはシーリングの上に塗布して可塑剤が塗膜へ移行するのをプライマーの塗膜で遮断し、ブリード現象を防ぐことができる下塗り材です。
こちらの方法はシーリングの撤去が難しい場合や塩ビ鋼板を使用した外装材に適しています。
気になる症状があればお気軽にご相談ください。
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現在普及しているコーキングはブリード現象に対応したノンブリードタイプが主流なため、その症状が見られることは稀です。
しかし、もし施工後に変色や表面のベタつきなどの症状が見られる場合はブリード現象が発生している可能性があります。
また、シーリングのひび割れや変色などの施工不良はブリード現象以外でも撹拌不足や硬化不良などでも見られます。
ブリード現象を含む施工不良の特徴は、工事してから数年経過後、もしくは想定している耐用年数よりも早くに症状が出てきます。
あまりに早くに症状が見られる場合は施工不良などが疑われますので、もし症状が出ていましたら工事をしてもらった業者に連絡して早めに対応してもらいましょう。
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建物診断ではお客様にも立ち会いをお願いし、実際に症状を見てもらいながら詳しくご説明をさせていただきます。
お客様の大事なお住まいを長くサポートさせていただきますので、なにかお困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。
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